『愁思符庵』日記(1)
この日本で、いい歳こいた男が、差し出す名刺も持たずに暮していくことが、いかに窮屈であるかは、ある日突然リストラや倒産で失業した人でないと分らないかも知れない。
いや、名刺や肩書きは無くとも、せめて名乗れる職業名をもっていれば、この国では少なくとも社会人扱いは受ける。
昨今流行りのニートやらフリータ−はその窮屈さを敢えて受け入れての生き方なのであろうが、余程の精神力をもちあわせないと、あるいは何処かで求めている人生の自由は謳歌できまい。
社会の規範から外れて生きると云うことは、多くの物を得るチャンスを自ら失い、誰も見向きもしてくれない、身勝手な自由を手にしているだけなのかも知れない。
何を隠そう、いい歳こいた張本人がそう云うのだから、なまじ外れてはいない。
馬券生活者なんて職業はない。そんな呼称なんてどうでもいいことだ。生活の有り様の問題であろう。
