梶山徹夫の馬券生活 - 愁思符庵日記 -

本物の博打屋が送る競馬ファン必読の競馬ブログ

2007年08月17日

『愁思符庵日記(4)』

博打屋に盆暮れがあるわけがない。人様がお休みになる時にこそ、遊び人の浮かぶ瀬があるというもの。
 新潟からの新幹線、先週は往復グリーン車なんて分不相応なことをしたばかりに、よそ行きの馬券を張ってしまった。新幹線は人生を見つめるのに誠に便利な時間を与えてくれるものだ。
もっとも、1時間40分そこらでみつめられる人生もたいしたものじゃないんだが。
蛇足とは、先週日曜最終Rのことを云うのだろう。配信しそびれて、最後に推奨した馬ケイアイテイメントが馬券にならなかった。自己嫌悪に陥り後悔しきりだ。ベローチェの落馬の煽りはあったものの、勝ち負けの走りじゃなかった。我が目の甘さだろう。
落馬誘因の吉田稔騎手は日曜のマーク騎手でそれなりに馬券になってくれていただけに、複雑な心境だった。好事魔多しである。
ただベローチェの馬主筋のY氏ははなはだ気の毒。最終まで待った挙げ句が落馬じゃ報われない。

土曜の土谷騎手ミココロ3着、日曜スエズ、 ガッテンワン2着など、パドック推奨馬の配信を躊躇したばかりにお役にたてず、最後に推奨した馬が外れ、博打屋の心はいたく傷ついたのも事実。知人の馬主がそのことを「もったいない」と慰めてもくれた。
予想屋じゃないので、外れは許されない。やはり、人様を巻き込む予想行為と言うのは 心が痛む。

愁思符庵の家計は新潟での商いに左右される。 お盆興行の大荒れを予想していたが、思ったほどでなく、博打屋の願望通りにことは運ばない。
14日は松戸競輪開設記念初日への出動だった。うだるような暑さの中、ぐったりとしながらの商いは、すべて決勝のための下調べ。3コーナー付近のスタンドの売店のテーブルを陣取り仲間内と宴会気分のオヤジたちを見ていると、人それぞれのお盆休みがあることを教えられ、公営ギャンブルの原風景を見ているようでもあった。
 「これじゃ競輪は売り上げがあがらんね」と連れがつぶやく。その通りなのだ。競輪は展開や推理を楽しむファンが多く、100円の車券1枚でも十分隣の見知らぬ人同士が能書きをたれっこできる。さながらその光景は碁やら将棋を指している人同志のようなもの。そこらじゅう評論家や予想屋だらけである。これで1日を過ごせるのだから売り上げが上がるわけがない。そこが競輪の良いところでもある。競馬のように、特別な情報があたかもあるようなまやかしが介在しない。個々の選手の体調はともかく、全てのファンに推理のファクターが平等に与えられてもおり、同じ土俵で闘える。
 勿論、競馬も多くの情報は提供されているが、馬に関する近況は一部の人間にしか分かり得ないことがある。そこに予想を専門とする商いが成り立つのだが、果たしてファンの要望に応えているのだろうか?
 
 今日の商いは松戸の決勝。初日の神山は矢口をかばって捲りにあっての2着。その後の動きもよさそう。初日落車の阿部が決勝進出は嬉しい。3着にもう一度買ってみたい。
 
インフルエンザ騒ぎで、木曜昼前TVニュースで中止が流れ、予定していた宿をキャンセル。博打屋にも人並みの休息か、と早々にさぼりバージョン。午後開催決定で慌てて宿、新幹線手配。今週はゲスト達との付き合いで、幹事は博打屋であった。
 全てなんとか再手配してホッとしている 矢先、再び17日朝の中止決定。話にならない手際の悪さ。札幌での感染馬の発覚に引導渡されたようだ。
 それにしても、咲花温泉「佐取館」のキャンセルは好意的であったが、新幹線、駅レンタのキャンセル手数料は馬鹿馬鹿しいことこの上ない。当分開催は出来ないだろうが、この程度の予測が出来ないJRAとは、一体どんなレベルの集まりなのだろう。折角の夏休み競馬を、二度にわたって振り回した責任は重い。
 博打屋は当分失業か。

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2007年08月17日 11:00に投稿された記事です。

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梶山徹夫プロフィール

梶山徹夫

1949年広島生まれ、中央大学文学部国文科卒。コピーライターを皮切りに、広告制作、音楽事務所経営、ルポライター、競馬雑誌編集長を経てフリーに。全国の競馬場に出向き、競馬に関わるエッセーを雑誌等に寄稿。著書に「馬券で喰ってどこが悪い」等。

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