梶山徹夫の馬券生活 - 愁思符庵日記 -

本物の博打屋が送る競馬ファン必読の競馬ブログ

2007年09月07日

『台風一過、初秋競馬』

野分け、なんて風情のある風雨じゃなかった。

季節とはなんと正直なものか。はっきりと、秋の訪れを人に告知する。
愁思符庵も吹き飛ばされずに、なんとか持ちこたえた。気になるのは、多摩川の河原生活者の知人である。今日(7日)夕刻、サイクリングに出かけた。

台風の置き土産、空は絶妙な色変化。刷毛でひと撫でした様な淡い雲が、瞬きの間にも色形をかえて、夕闇に浮かぶ。

多摩川は見たこともない様相。
河川敷の公園やグランドはすべて濁流の中。

勿論、河原に住む男たちの住処はない。

夕焼けを写し、濁流が赤茶色に染まる。
対岸の京王閣競輪場の外壁の3色のイルミネーションとオーバル京王閣のロゴが燦然と輝く。河原の黄花コスモスやススキの群れはすべて水の中。
初秋の洗礼であろう。

疲弊した財力を秋競馬に備え立て直さないと、「愁思符庵」には月後れの旅費の請求書が容赦なくやって来る。

月曜(3日)夜は京王閣2日目ナイターに夕涼み方々の出陣。翌日決勝に備えての下見だ。
岡山ラインの石丸・岩津が準決を楽にクリア。これだ、との確信を得て翌日決勝に出向いた。

今年最後のナイター。馴染みの知人たちと決勝談議。心は石丸・岩津で決まりだが、衆目の評価も一致。つまり配当は安い。

博打の敵は我にあり。

2車単530円にどこまで賭けれるかが自己葛藤。逡巡の果てに、3連単での3着紛れを期待するあわよくば車券。それでも結果は前田3着で2060円。これでも6番人気だ。つまり2車単1番人気に対し、悩んだ果ての3着前田でその配当。博打はかように難しく、切なく、虚しい。外したのだ。

新潟の残り銭でやり繰りだから、博打屋の心中も、仏の様な顔つきと裏腹、切羽詰まっている。雨なんかより、降るなら金でも降れよ、と独りごち。

そこへ札幌より救いの電話。
「カジの親父よ〜、元気か〜」
秋谷氏と云う知人の馬主だ。
「明日(5日)の大井4R、道営で認定勝ったディーズファンシー出るんだわ。したっけ、馬みてよ、少しは良いとこあるんでないべさ」

こう云う控え目な時は走る。勇んで出向いた。
台風前夜、大井も怪し気な天気。夕闇のパドックに人はまばら。雨が強くなる。

折しも3Rで内田騎手が3000勝を達成。折角ならファンシーだろうよ、と秘かに期待してたが、それはそれで目出たい。

馬はこじんまりとまとまり、メンバー中遜色なかった。これならいける、と打って出た。

そこそこのスピードを見せ、直線入り口まで先頭だったが、1番人気馬に掴まったところを、さらにまとめて交され3着。

まあ、打って出たのだから、3着で金になる馬券は持ってなかった。かように、博打とは切ないものなのだ。

内田騎手を囲み記者が取材している。その時に、中央移籍への心境を表明した。
博打屋はその側で桑島騎手に子息の競艇選手の近況を聞いていた。
フライングを切り休みに入ると苦笑する笑顔は、内田騎手の記録の大先輩の現役騎手と云う威圧より、一人の父親としての顔が覗いていた。
「あの人なんて凄い人ですよ。60過ぎても乗ってますよ、きっと。追い方がちっとも衰えていないんだから」
と内田騎手が桑島騎手を見ながら記者に話している。
その通りだ、と博打屋も思った。

気持ちが吹っ切れたのか、この日の内田騎手は饒舌に思えた。
南関の若手騎手のレベルの高さを盛んに誉め、今自分が頂点を極め、それを維持していくことの厳しさを語っていた。

登り詰めてみて始めて知るトップの重み。
桑島、石崎、的場への敬意を忘れない。
内田も大人だ。

さて、中山。今週は関西中村均厩舎だろう。
10週連続勝利の継続はすでに周知であろう。
セゾンの井出君は連闘のドリームガードナー
で先週の儲け損ねをカバーしてくれとメール。
日曜阪神2R、中村均厩舎のV12候補馬だ。

V11馬は中山メーン紫苑Sラブカーナ。
前走明らかに脚を余していた。位置取りさえ間違わなければ脚はある。
博打屋はここ2戦、パドックを見ては惹かれるストーミーカフェとの2頭で悩むことだろう。

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2007年09月07日 23:13に投稿された記事です。

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梶山徹夫プロフィール

梶山徹夫

1949年広島生まれ、中央大学文学部国文科卒。コピーライターを皮切りに、広告制作、音楽事務所経営、ルポライター、競馬雑誌編集長を経てフリーに。全国の競馬場に出向き、競馬に関わるエッセーを雑誌等に寄稿。著書に「馬券で喰ってどこが悪い」等。

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