梶山徹夫の馬券生活 - 愁思符庵日記 -

本物の博打屋が送る競馬ファン必読の競馬ブログ

2007年09月14日

『ライフライン危機脱出』

旬のイニシャルはAだった。

安倍ちゃんと朝青龍、どちらが先に辞めるかと云うのが、つい先日の飲み会での話題。

一雨ごとに忍び寄る秋風に孤愁を深めたか、安倍首相が先にギブアップ。
雨上がりの清らかさに誘われて出向いた西武園競輪場(12日)でニュースを見た。

新秋津からの無料バスに乗りたくて出向いたのが正直なところ。畑地がどんどん宅地化され、西武園遊園地あたりも新興の住宅地と化している。
ああ、博打屋も堅気の人生を送り、真面目に定年まで勤め上げていれば、この辺りの建て売りくらいは買えたのかも知れない。

いやいや、買うんだったらこんなせせこましい所は嫌だ、なんて勝手な夢想に耽るのが楽しみになってきた。
持たざる者はそれなりに、果たし得なかったもうひとつの人生をバラ色に慈しむものだ。

ファンルームと云う名だったか、テレビや場内モニターがあり、元競輪選手がレース展望を無料で解説している。30人程の客は安倍ちゃんの辞任会見に見入り、伊藤解説者も苦笑い。ほとんどが年金対象者層。政治も競輪もレースには違いない、ということだ。

決勝を外し、4・5月分の水道料金の督促状が未処理のままカバンに残った。

「愁思符庵」には様々な請求書がくる。
月曜(10日)には電気代の督促。翌日までに支払われないと止めるとある。

失礼な。こちらだって色々事情がある。払いたくっても、順番と云うものがあろう。払っちまったら運用資金が減る。手持ちが淋しくなるのが博打屋にとっては一番の難儀。

こんなこともあろうかと、この日(10日)週明けの体にむち打って浦和に出向いた。
電気代、水道代の支払い用紙を持参だ。先に払っちゃえば気持ちも軽かろうに、と思って下さるのはよ〜く分る。

そこが、堅気と博打屋の生活信条の違い。1円でも余分にゲンナマは持っていたいものなのだ。

ところがこの日は大荒れ。着いていきなり3連単45万何がし。3連複4万5千円を取り損ねて気持ちが滅入る。

追い討ちをかけるように次が3連単65万円。もはやこれまで、と早々に退散。

火曜(11日)、未処理の支払い用紙をカバンに潜め、多摩川競艇優勝戦に挑む。
16年目にして初V王手のかかる桑原啓が1号艇。勝たせてやりたい、勝って欲しいの願望で桑原からの舟券。

二の矢を持たぬのが博打屋の掟。
が、今週は幾多の請求書の処理がノルマ。目標はその程度。大の大人が人様に聞かせる額じゃない。

「記念とか、そんな大レースじゃないんだよ。一般レースの優勝が16年間もない選手が、今日ここで勝てるって保証なんてあるかい?」

隣のオヤジの能書きに「う〜ん」と唸りながら万が一の2着想定3連単を1点追加。

その保険の舟券が的中。それでも2860円。
プレッシャーと云うものだろうか、先頭で回った桑原は魅入られるように松本勝也の餌食となった。

これで電気は止まらんぞ!
少しだけ自分を誉めてやりたい気分でゲートに向うと目に入るのが木陰の銅像。

「母背おい 宮のきざはし かぞへても
かぞえつくせぬ 母の恩愛」

台座には笹川良一(59歳)の時、母(82歳)を背負いお宮参りの姿、とあった。

木曜(13日)、高知オールスター初日。
山崎芳仁を追って高知に旅立った知人のN子嬢に敬意を表し、京王閣出陣かと迷ったが断念。結果、山崎は負けた。

3連休を控えた金曜(14日)。
博打屋も週末に備えての資金調達に頭が痛い。

せめて未処理の水道代は今日中のノルマ。
京王閣が呼んでいる。
無駄打ちは出来ず今日こそ山崎、と思ったが見送るとまたしても敗退。最終に賭けた。

地元佐々木則幸が狙い。拾った報知新聞の記事が目に入った。
おつ、この記者も出来るな、と心して佐々木頭の小倉竜二、岡部芳幸、手島慶介2・3着ボックス。

まるで手品を見てるように、ゴール前読み通りの入線。3連単1万10円。
足取り軽くコンビニに行き、周回遅れもいいところの水道代を処理。長く切ない「愁思符庵」の暮らしであった。

さて、競馬だ。3日間の変則開催。
セントライト記念は人気薄ナンヨーヘブン、シグナリオ、マイネルグラナーテなどの新潟組の馬体を注目。
ローズステークスも興味は新潟好走のレインダンス。こちらは馬も見れず魅力無し。

土曜中山は1Rスエズ。2Rペイアテンション。6Rフサイチジャスパー。7Rラッシュモア。11Rクリノワールド。12Rダークフラッシュを注目。

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2007年09月14日 19:41に投稿された記事です。

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梶山徹夫プロフィール

梶山徹夫

1949年広島生まれ、中央大学文学部国文科卒。コピーライターを皮切りに、広告制作、音楽事務所経営、ルポライター、競馬雑誌編集長を経てフリーに。全国の競馬場に出向き、競馬に関わるエッセーを雑誌等に寄稿。著書に「馬券で喰ってどこが悪い」等。

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