梶山徹夫の馬券生活 - 愁思符庵日記 -

本物の博打屋が送る競馬ファン必読の競馬ブログ

2007年09月21日

『艇跡無情』

陽射しは相変わらず厳しいが、「愁思符庵」を通り抜ける風は明らかに秋そのもの。

庭の朝顔はまだ頑張って咲いているが、秋明菊が主役交代を迫っている。野生化するほどだから丈夫な多年草だ。
漢名を秋牡丹という。名前がいかにも秋らしい。この花を見ると鎌倉の瑞泉寺への探訪をそそられる。萩と共にこの寺の名物だ。

折しも先輩女性が「第11回 極楽寺・稲村ガ崎アートフェスティバル」(9/29 - 10/8)の案内パンフレットを送って下さった。
様々な体験型のアート講座が用意され、秋の鎌倉散策を誘う。
「ご案内でもしますわ」
とでもありゃ、
「秋の日の ヴィオロンの・・・」
なんて、博打屋も詩人になれようものだが、まあ、平日しか行けぬ身、誰ぞ若いネエちゃんでも誘おう。

命日博打(20日)に挑み、岡山への墓参計画を立てたが、そんな金があるなら、電話代くらい払え、と亡父の声。
朝から静かな一日だと思っていたら、携帯が止まっていた。
先日家庭電話を支払ったばかり。NTT東日本だNTTコミュニケーッションだソフトバンクテレコム利用分だのワケが分らない。

博打屋は電々公社と付き合っていたハズなのに、一体これは何なんだ。
何時の間にか相手が代わり、容赦なく金を払えだと。
年金だってあの様だ。機械任せの計算に誤りが無い保証は無い。元は人間が入力するのだろうから。

まあ、競艇場じゃかかって来た電話も話しづらい。出来高次第で払おうと多摩川に出向く。

10、11Rと予定外の参戦。これがいけなかった。ソロリ手出しのつもりでも、12Rへの資金配分が減ることには変わり無い。
ダイヤモンドと博打の金は、割れば割る程価値は薄らぐ。
金も気力もひとレース集中が博打の鉄則。特に懐が細い時にはジャブは体力消耗の命取り。

田中信一郎と決め打った。
魚谷智之、村田修次の3連単。菊地孝平の3着付けの2点。
万が一の逆転は魚谷。田中、菊地の3連単を1点だけ追加。
その万が一の舟券1040円が的中し、僅かながらの浮き。
金を割らなければな、とは後の祭り。辛うじて引っ掛けた舟券に感謝せねばならぬ。

「墓参りなんて、お前には期待して無い。それで電話代払え」

例の母を背負いての銅像をチラリと横目で眺めると、博打屋の耳に何処からか声が届いた。

競馬が近づいたが、諦めぬ墓参博打は多摩川だ。
魚谷、烏野、田中。今日も追っ掛けをしてみよう。

南武線が多摩川を渡るその河原に、新しいブルーテントが木陰に見える。
流された小屋を作り直し、生活者が戻って暮し始めた。

ススキが洗われた河原に穂を輝かせる。
青空がどこまでも高いが、今月末(30日)、この多摩川の下流、京王閣競輪場の河原で秋の花火が打ち上がる。

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2007年09月21日 12:22に投稿された記事です。

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梶山徹夫プロフィール

梶山徹夫

1949年広島生まれ、中央大学文学部国文科卒。コピーライターを皮切りに、広告制作、音楽事務所経営、ルポライター、競馬雑誌編集長を経てフリーに。全国の競馬場に出向き、競馬に関わるエッセーを雑誌等に寄稿。著書に「馬券で喰ってどこが悪い」等。

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