梶山徹夫の馬券生活 - 愁思符庵日記 -

本物の博打屋が送る競馬ファン必読の競馬ブログ

2007年12月04日

『師走迷走』

何事も気付いた時が、やり直し時なのである。

土曜のサボリで、開幕週の中山の傾向を把握出来なかったのが、厳しい師走競馬スタートの悲哀を味わう要因となった。

内枠有利の知恵は中山に出向いた時点で頭にはあった。

しかし、パドックで馬を見ていると、いざ馬券検討に入り、枠だけの要素では馬券が買えなくなる。

特に負けが込むと気持ちが当てに走るので、益々結果が伴わない。

博打の神の気紛れの餌食の始まりだ。


誰が、市川ステークスの顔触れを見て、テンイムホウの1着がイメージ出来たであろう。

ピサノグラフは絶好調ペリエを鑑みれば買える馬。

スパインも行くだけ行く実績馬。


中団追走のテンイムホウが勝利を掴んだのも、インコースをじっと我慢して追走したおかげ。

これらが、並み居る人気馬を尻目に上位を占めたのは、紛れもなく中山内枠を上手に利した結果である。

アドマイヤカリブもダンディーズケアも外を回る横綱レース。

紛れが罷り通る中山の典型がこのレースの54万馬券だった。

問題はこの後である。

馬券の上手下手は色々あるが、少なくとも現場で馬券をやっている人なら、嘘だろ!と思えるようなこのレースを目の当たりにしたら、少なくとも次のメイン、ターコイズSのトップハンデ、キストゥヘウ゛ンの外枠は疑わなければならなかった。

それを、ご丁寧に、パドックで気が変わり、急遽馬券の軸に取り上げた時点で、博打屋もただのオヤジになっていた。

この失敗まではまだ許せる。

問題は12Rのパドック。

前走人気薄で好走のバルバレスコにやや疑問抱きながら、これまた前走、前科1犯のダノンムローの1本かぶりの人気に押され、この2頭が溺れる博打屋のワラとなってしまっていた。

つまり、貧すれば鈍するだ。

人気に頼って、負けをカバーすべく博打に入ってしまっていたわけだ。

こうなると、博打の神は本性を現わす。

人気を盲信し、当てに走る小羊に試練を与える。

ここで、余裕ある博打屋なら、先の同じ1200メートルの教訓を思い浮べ、内枠馬に徹底マークの馬券対策を講じたであろう。

ならば、このテイエムポイント、グレイトフルタイム、タケデンノキヘボーの内枠3頭に、いたずら心が起こらぬこともない。

つまり、博打の結果というものは、えてしてこういう、馬の力や、出来以外の単純な要素にも多分に導かれることが多いのである。

こうした現場における、不可解な現象、傾向をいち早く察知し、対策を講じることこそが、博打事で凌いでいくことの奥義の一つかもしれない。

素直に流れに逆らわず博打に挑むこと。

人知を超える博打事の結果と云うものを捉え切るには、気付いた時が始まりの時、と言う柔軟性が求められる。

視野を広め、当てたい一心の迷走を解脱していれば、最終の31万馬券も、そう不可解な馬券ではなかったのかもしれない。

ともあれ、大変な試練からスタートした師走競馬である。

これじゃ、忘年会の誘いから逃げ惑わなきゃならぬ博打屋だ。

熊本競輪の山崎か小嶋か、知人のN子嬢は先週から熊本入りだと葉書が舞い込んだ。

山崎追っかけの一年の締め括りだそうな。

暮れのグランプリ最終予選の見届けとは見上げたファン。

博打屋にもこうした情熱が欲しい。

若いということは、それだけで素晴らしいではないか。

金網にしがみついて、山崎!って、叫ぶためにブルートレインの人となる、その一途さが博打屋にはまぶしい。

博打屋は立川競輪場で、寒さに身を縮ませながら、山崎!と呟いていることだろう。

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2007年12月04日 01:04に投稿された記事です。

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梶山徹夫プロフィール

梶山徹夫

1949年広島生まれ、中央大学文学部国文科卒。コピーライターを皮切りに、広告制作、音楽事務所経営、ルポライター、競馬雑誌編集長を経てフリーに。全国の競馬場に出向き、競馬に関わるエッセーを雑誌等に寄稿。著書に「馬券で喰ってどこが悪い」等。

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