『縁起新聞』
街にイルミネーションが輝き、忘年会帰りの酔客が、終電近くの車内を占める時期になってきた。
サラリーマン経験がないので、こうした人々の心理は分からない。
飲む口実や大義名分がいいのだろうか。
忘れたい程の年だったのだろうか。
いずれにしても、老若男女、傍若無人の車内である。
そんな電車を降り、稲田堤駅前のコンビニで、競馬新聞をもってレジに立つ。
あいにく1万円札しかなく、1万10円を出すと、若い女性店員が5千円札を切らしていることを詫びながら1000円札を9枚丁寧に2回確認を促すように数える。
ふと、店員の名札をみると、ひらがなで「といち」とある。
感じの良い笑顔に気を許し、珍しい名前だが、どんな字を書くのかと聞いた。
「都市」です、の笑顔に二度びっくり。
慣れっこですよ、と顔が言っている。
ひらがなで書いていたのもうなずけるが、博打屋としては、正直ひらがなの方がドキリとしたのだ。
思い浮べてもらいたい。
カウンター越しに受け取る9枚の札。
つり銭だから当然だが、なんだか「トイチ」のカネを受け取っている図である。
彼女には何の罪のない話である。
まして、若い娘さんである。
「トイチ」なんて、暴利を貪る世界の話なんて、言葉そのものを知らないであろう。
博打屋のように、世の日陰を覗く人種には、「忙しいカネ」と言って、10日に1割という高利を覚悟で借りるカネは、有り難くもあり、また恐ろしいものである。
いい人から買ったものだと夜道を歩いた。
トイチで買った「日刊競馬」だぜ。
当たってもらわにゃ、利息に忙しい。
競馬やる人はゴマンといるだろうが、トイチの新聞は博打屋だけだろうし、またふさわしい。
土曜は2Rサマーアクトレスを皮きりに5R新馬ドリームマイスター、6R新馬キョウエイストーム
、12Rトーヨーエーピーが見所。
全体的には田中勝春が鍵となるだろう。
