梶山徹夫の馬券生活 - 愁思符庵日記 -

本物の博打屋が送る競馬ファン必読の競馬ブログ

2007年12月20日

『神楽坂有情』

万引き禍から体調を崩し、血圧高、睡眠不足でついに下痢まで起こす始末。

19日夕、神楽坂で卓を囲んだは良いが、始まってすぐ変調。

思い当たる節のない腹痛に見舞われ、スタート直後から何度もトイレ駆け込み。

競馬で云うなら5馬身ほどの先行でトップを走っていた。

ゆっくり入っておいで、とメンバーは至って優しい。

有馬記念の好い話でも聞かせてくれるなら何時までも待つよ。治まらなきゃ替わり呼ぶから、と食事タイム。

行ったり来たりで落ち着かぬ半チャンは終わってみれば最下位。


こりゃ、先が思いやられるな、と次の半チャン。


限りなく不吉な予感だったが、どうやら治まった下痢。

祈るような思いで集中。

3位から大逆転のトップへ。

ビハインドからのスタートに負け戦の覚悟もしたが、振り出しに戻り気が楽になった。

この辺りから手も軽くなり快進撃。

4連勝を果たし、終わってみれば一人勝ち。

いくらかって?

賭け麻雀を吹聴するわけにはいかないので、常識の範囲として聞き流して欲しい。

とにかく有馬を前に1円たりとて目の前の善良な知人たちに与える訳にはいかない。

どう逆立ちしたって、博打屋より皆リッチ。

「あのまま下痢と闘っててくれりゃいいものを」

と3人が苦笑。

「でも、これで梶さん有馬できるね」
だと。


いったい、幾ら中山でかかると思ってんだろう、この人たちはと思いながら

「いえいえ、恵まれない博打屋に愛の手をありがとう」

と丁重に礼を云う。

確かにこのところの災厄を考えると、この体調で持ち出しにならなかったことが奇跡的。

「腹痛変じて福痛快?」

と博打屋の心痛を癒してくれた。

その後のセブンイレブンの不誠実には、語るも落ちるが、こうした知人たちの思いやりが何よりの薬だ。

「ところで有馬、なによ?」

当日は浜離宮でトークショー、レースが見られない犬猫写真家の売れっ子、新見敬子さんが云う。

「まだ結論でないよ、でもね、ダイワスカーレットは歴史的名牝だよ」

の博打屋の見解に同意。


神楽坂の夜は師走を迎え人の出も多い。

毘沙門天、今宵すれ違う人、みな酒臭し。

しかし、災難続きの博打屋に、神楽坂のこの夜は少しばかり情のある景色に見えた。

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2007年12月20日 23:52に投稿された記事です。

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梶山徹夫プロフィール

梶山徹夫

1949年広島生まれ、中央大学文学部国文科卒。コピーライターを皮切りに、広告制作、音楽事務所経営、ルポライター、競馬雑誌編集長を経てフリーに。全国の競馬場に出向き、競馬に関わるエッセーを雑誌等に寄稿。著書に「馬券で喰ってどこが悪い」等。

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