『快晴・鉾田坂路』
マイナス6度。
鉾田の朝はかなり寒い。
陽が上ると、ぽっかりと森の中をくり貫いたように広がる坂路コースの上空を、真っ青な空が覆う。
昨年12月から稼働を始めたビッグレッドファーム鉾田を訪れた。
昨秋以来だが、あのダム工事かと思えた現場が、今や立派な坂路コースとして完成し、厩舎やウォーキングマシンには馬の姿がのぞめる。
巨大な調整池を取り囲むように、1000メートルの坂路が、高低差21メートルを描きながら右回りに伸び、最大勾配5、76%を登りきる。
冬枯れの雑木林を背景に、まだ生えきらない芝をいただいた土手は未だ寒々しい光景だが、新緑の頃の美しささは想像に難くない。
北海道から送り込まれたスタッフなどを含め10人がトレーニングにあたっている。
既に鉾田経由の馬の勝利も見られ、関東屈指の坂路仕込みの成果が期待を集めつつある。
この日(15日)、7名のスタッフが、午前4鞍、午後2鞍の調教にあった。
78馬房に現在54頭が入厩、各馬に合わせたトレーニングが施されている。
折しも、マイネルのクラシック候補マィネルチャールス、セゾンRHの候補ドリームシグナルの2頭もこの地で来るべく弥生賞、スプリングステークスに向けての調整に余念がない(写真左チャールズ、右シグナル)。

両馬ともバネのある素晴らしい乗り味と担当者もぞっこん。
チャールズの総合力とシグナルの切れ味。
クラシックに最も近い2頭と期待を隠せない。
ひと鞍50分程度の稽古、その間終わった馬たちは5基あるウォーキングマシンで汗を流す。
張りつめた空気のなかで人馬一体の時が流れる。
鹿島灘からの潮風と、メロンを育む陽光の中で、鉾田坂路の調教馬たちが、あっと言わせるシーンがこの春見られるであろうことは、博打屋にとっても目の離せない事態であろう。
