『三方良し』
近江商人の代表的哲学「三方良し」。
誰も損をしない采配を言う。
立場の違う者がそれぞれ自己主張するが、皆、得をしたような気にさせる商い。
更に曰く。
「現状維持は退歩なり」
ここまで言うと極意に近い。
例えて言うなら競馬に於ける長い写真判定。
挙げ句に同着裁定。
これなど、ハラハラ、ドキドキもので待たされている該当者たちには、何やら「三方良し」の采配に近い。
但し、人間と云うのは如何にも欲深いもの。
大概の人は、配当が半分になったことでえらく損をした気分になるらしい。
だれも、自分の馬券の方が分が悪かったなどとは思わないようだ。
一方の「現状維持は退歩なり」は博打屋戒めの哲学。
「プラマイ0なら上出来よ」
競馬帰りによく交わされる会話。
堅気衆はそれで良かろう。
何しろ寺銭引かれて現状維持は勝ちに等しい。
しかし、博打屋はそれでは退歩なのである。
良く健闘した、なんて自分を誉めてあげてる場合じゃない。
近江商人の言わんとすることはそんな事ではなく、伝統を固持するだけでは商いの明日はない、と言うことらしいのだが。
週明けの月曜日、博打屋も少々哲学をする。
と、それもつかの間。
女子王座の横西優勝の記事に納得やら地団駄やら。
中山より多摩川だったか、と商い場所のミスチョイス。
もっとも、中山もマイネルチャールズ様々で納得の結果だったのだが。
と云うわけで、月曜商いは貸しのある多摩川優勝戦。
初日だけしか見ていないので出たとこ勝負。
しかし、たまにはスポーツ紙も読むものだ。
後半3レース、小さな欄に3連単勝負賭け、のコラム。
日刊スポーツの競艇欄だ。
10Rは外したものの11Rは3連単2万6千円をズバリ。
続く優勝戦も3連単5千円弱を2点で的中。
つまり、結構難しい舟券なのである。
博打屋はふと目にしたその記事に相乗り。
初日に預けた預金をそっくり返して頂いた。
優勝は藤丸光一、福岡の40歳。
余りの嬉しさに、特設ステージでの勝利者インタビューまで見物。
ありがとう!藤丸君。

はっきり言って、博打屋は3日前の所持金に戻れば、つまりその間の諸経費はそっくり博打から産み出した金なのである。
こうした、現状維持の繰り返しが、博打屋の収入なのである。
