『早春賦』
「春は名のみの風の寒さや」
吉丸一昌作詞のこの歌が時を越えて甦る。
正にその季節の最中だ。
「梶さま、雨が」
「春雨じゃ、濡れて参ろう」
何処へって?
そりゃあんた京王閣にきまってんでしょう。
あたしゃね、ナンボ義理を返すと言っても、昨夕見たデパートでの列をなしてホワイトデーの買い物をする男にゃなりたくはない。
尤も、返すほど貰っちゃいないが、アホ臭い慣わしだ。
せいぜいホワイトにあやかって今日の博打は1絡みで攻めよう。
決勝までのつかの間、芦花公園にある世田谷文学館に寄ってみた。
千歳烏山在住の5年前までは、蘆花恒春園や文学館が博打屋の散歩コース。
開催中の永井荷風展が終わり近い。
荷風の暮らしぶりは現代人に共鳴すると見直されている。
『断腸亭日乗』には古下駄の鼻緒が切れぬかと気遣いながら散歩し、葱醤油を買って帰る一時の何とも言えぬ思いを「哀愁の美感に酔ふことあり。」と言い、心の自由空想の自由はいかに暴悪な政府の権力とても束縛は出来ない、と言っている。
丁度「荷風スタイルに学ぶ、シングルを楽しく生き抜くための10箇条」を文学館がまとめていた。
その真っ先に「毎日ブログ(日記)を更新」とある。
博打屋はドキッとさせられた。
あたしゃしっかりと荷風イズムにあるじゃないか。
究極の暮らし、と荷風の部屋が再現されていた。
「愁思符庵」と大差無い。
さて、春雨なんてものじゃなくなった京王閣。
決勝は1番車内海雅夫を軸に小林、西谷辺り。
松山決勝は梶山裕次郎を買う。
何と言っても名前がいい。
