梶山徹夫の馬券生活 - 愁思符庵日記 -

本物の博打屋が送る競馬ファン必読の競馬ブログ

2008年05月15日

『仏顔に若葉雨』

寒暖の差にとうとう負けてしまった。


昨日(14日)は午前中残った雨に商いを断念、開催中の薬師寺展と坂田栄一郎写真展を、怪しい体調を押して出掛けた。(写真)

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この天気なら人も少ないだろうと思ったのが大間違い。


史上初の日光・月光菩薩のお出ましに、東京人は表敬に余念がない。


若葉雨に打たれながら30分の入場規制、まあ、よい方だと言う。

上野の森にある東京国立博物館は別名「ユリノキ博物館」と言われ、モクレン科のユリノキの大木がシンボルである。(写真)

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折しもチューリップに似た花が盛りであった。(写真)

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明治の始めに渡来した2-3株の末裔だそうだ。

「平城遷都1300年記念・国宝薬師寺展」は正に世紀の展覧会と言って良かろう。

天武天皇9年(680年)に藤原京の地に建立された薬師寺は、710年平城遷都とともに現在地に移され、1998年には世界遺産に登録された大和の古寺である。

この展覧会では、「日光・月光菩薩立像」2体と「聖観音菩薩立像」が展示され、寺外での公開は初めてと言う画期的企画で、首都圏の人々が列をなすのも頷ける。


かく言う博打屋も中学の修学旅行以来の対面である。

競馬場がないせいで奈良にはとんと足が向かない。


何より昨日感動したのは、薬師寺金堂で見たのと違い、背中の光背がなく、立像をグルリと見れる事である。

恐らく生きて再びこの姿は見られないであろう。


腰をやや捻り、その側の脚に重心を乗せ、一方の脚は遊ばせるスタイルを「三曲法」と呼ぶらしいが、ちょうど馬が休めをする時に、チョイと脚を上げているにも似ている。


悠久の時を経て、人々を見守って来たその尊顔に触れるだけで、人の一生の短さとはかなさを感じずにはいられない。


思わず手を合わせてしまう、息も潜む瞬間である。

たっぷり3時間、外に出ると雨は上がり、頭痛のする身をむち打ち、丸の内の丸ビル、新丸ビルで開催中のAERA創刊20周年記念写真展・坂田栄一郎「LOVE CALL時代の肖像」に向かった。


1988年5月創刊の「アエラ」の表紙を20年間に渡って一人の写真家が撮り続けた金字塔である。


世界の「時の人」917人の肖像が時代のドキュメントてして見る者を圧倒する。(写真)

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氏は馬主でもあるが、この準備で疲労困憊、好きな競馬も途切れ途切れだったらしいが、先週は馬券絶好調を自慢されてしまった。


氏もパドックファンである。


馬も人も一瞬を切り取って見るようだ。


尤も、世界の要人の撮影は15分貰えないケースもザラだと言う。


1993年フランスのアルル国際写真フェスティバルのメインゲストに招かれ名誉市民賞を受け、2005年に土門拳賞と日本写真家協会賞をダブル受賞されている。


「人はいかなる存在なのだろう」


氏の思想の原点はそこにあるらしい。


因みに競馬界からは武豊騎手だけが登場している。

博打屋らしくない一日を過ごしたせいか、夜になり発熱。

今日(15日)は頭痛と鼻炎に悩まされている。


週末を控え博打屋にも世間の義理掛け事目白押し。


開店休業、無収入の日々にいささか不安な「愁思符庵」である。

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2008年05月15日 16:04に投稿された記事です。

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梶山徹夫プロフィール

梶山徹夫

1949年広島生まれ、中央大学文学部国文科卒。コピーライターを皮切りに、広告制作、音楽事務所経営、ルポライター、競馬雑誌編集長を経てフリーに。全国の競馬場に出向き、競馬に関わるエッセーを雑誌等に寄稿。著書に「馬券で喰ってどこが悪い」等。

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