『白蘭葬送』
「・・藤田の夢を引き継いで行く覚悟です。」
16日午前、しめやかに執り行われた故藤田与志男氏の葬儀で、喪主挨拶に立たれた在子夫人はそう言われた。
真っ白な蘭に埋もれながら愛用の数々の帽子と共にMr.フジタは旅立った。
見送る人にそこはかとない儚さを残す5月の葬送だった。
風邪は悪化をたどり、厳しい週末となりそうだ。
金曜は半農の日であるが予定を変更せざるを得なかった。
梨の袋掛けの実習は、週明けに補講する事にし、博打屋は箱根に急いだ。
「週末はさぁ、新緑の箱根 でさぁ、のんびり温泉に浸りたいじゃない。えっ、何?競馬?何言ってんのさ、あんた今時。まだあんなもんやってんの?」
こんなセリフを何時の日か誰かにぶつけてみたいが、取り敢えず今日明日は博打屋は箱根。
少々訳ありだが、昼間ゴルフ、夜麻雀と言う集まりの夜の部参加の為の強羅行きである。
小田急で箱根までは1時間半位。湯本から強羅のホテルまで30分。
登戸からこの程度で着く。
夕刻、同じように週末を箱根で過ごす「優雅族」らしき旅人やサラリーマンの姿も湯本行きの電車には多い。
確かに東京の奥座敷、来る人は来ているのである。
果たしてこの中に、土日の府中競馬に通勤する「優雅族」が何人いることか。
博打屋は貴重な一人である。
山陰に落ちた夕日の残光が、湯本の山々の緑を赤く染める。
「湯の花温泉ホテル」の露天風呂で命の洗濯。(写真)
風邪が治るか、悪化するか、麻雀次第だ。
