梶山徹夫の馬券生活 - 愁思符庵日記 -

本物の博打屋が送る競馬ファン必読の競馬ブログ

2008年06月06日

『水辺の銀行』

突然の真夏日に、抗生物質薬漬けの体が妙にだるい。

口内炎は回復に向かった。

晴れて飲み食い出来る幸せを噛み締めている。

悪くなって良いところなんかあるはずないが、首から上の病は厄介だ。


病んでみて初めて知る健康の有り難み。


短期で治る病なら、一度くらいは物が喰えない不自由を味わってみるのも試練の一つだ。


病は人を育てる。


知人に鼻腔の手術で入院した人がいた。


鼻の通りが悪く辛かったのがスッキリしたそうだ。


入院中のエピソードには事欠かない。

中でも笑えないのが術後、点滴しながら小便をするくだり。


観念して寝て尿瓶に取れば良いものを、シャイな中年心が邪魔をする。


カーテン隠れて自力放尿試みるも、そりゃぁあんた、無理と言うもの。


術後で朦朧、おまけに片手に点滴、もう片方に尿瓶。

上手く尿瓶にモノが入る訳がない。


尿瓶っつうのは遠くから放尿するもんじやない。


ちゃんと納めるモノは納めて、晴れて放尿だ。


結局人手を頼らざる得なかったそうだ。

「おーい、母さん」


良い話だね。


この世で誰が一番頼りになるか、この人は身をもって学んだ。


病は人を目覚めさせるのだ。

「それじゃぁ、お客様のご住所、お名前をどうぞ」


「川崎市××× 〇山〇夫」

「お届けの際、商品名をパソコンパーツと出来ますが、如何なさいますでしょう」

「いや、そのままで結構」

健康と安全はタダじゃないのは重々承知。博打屋もスポーツ紙下段を賑やかす「男復活・お試しキャンペーン」の記事に目がつく歳になってきた。


どんなものかと試しにモニターしてみた。

言い訳がましいが、こりゃひとつブログ読者に世の現実をレポートとの発想である。


で、勇気をもって電話したやり取りが先の会話。


涙ぐましさを感じたのは、商品名をパソコンパーツとカムフラージュ出来ますよ、との提案だ。


時代を感じさせますですね。いや、秘かに男復活を願うお父さんや諸々の男に、家人や回りに悟られない配慮。


そんなに恥ずかしい品でもなかりそうに、と思うのはやはり博打屋が十分年老いた証しか。


しかしだ。代金引換で送られてきた薬は、広告にある元気の良い、さも夜はパラダイス的なイメージからトーンダウン。


真面目な健康増進薬の様相。ゆめゆめ男の春を呼び覚ましてくれる、速効性のモノではなさそうだった。


ただ、男に必要なサプリメントには違いなかろう。


これも健康を思えばこそのチャレンジだ。そう思えば、代引きで宅配に来た若いお姉ちゃんの笑顔が、決して「おじさん、頑張ってね」って微笑んだんじゃないと思える。


多摩川競艇、浜野谷詣でに来た。


水辺の銀行のようなものだ。

勝たないまでも2、3着は外さない選手だ。


安いが手堅く薄利多売を求めるなら、多摩川銀行、浜野谷、湯川、魚谷行員の世話になるに限る。


12R,魚谷、瓜生で連単2.9倍。


健康を取り戻した博打屋はこんな切ない博打に悩んでいる。

このページについて

2008年06月06日 16:50に投稿された記事です。

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梶山徹夫プロフィール

梶山徹夫

1949年広島生まれ、中央大学文学部国文科卒。コピーライターを皮切りに、広告制作、音楽事務所経営、ルポライター、競馬雑誌編集長を経てフリーに。全国の競馬場に出向き、競馬に関わるエッセーを雑誌等に寄稿。著書に「馬券で喰ってどこが悪い」等。

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