梶山徹夫の馬券生活 - 愁思符庵日記 -

本物の博打屋が送る競馬ファン必読の競馬ブログ

2008年06月17日

『未知の断層』

時間の経過と共にその凄まじさがつまびらかになる地震の被害。


東京競馬も終わり、ドッと物心共に疲労感の中で迎えた月曜(16日)。


様々な想いが駆け巡る。

総じて言うなら不満の残る商いに終始した上半期だった。


取り敢えず有終の馬券はCBC賞の3連複4万2490円的中。


5頭のボックスにしたのだが1着から5着までパーフェクト。珍しい結果だった。


しかし、現場でない他場の馬券を当てるのはパドック派としてはおもばゆい。


何より嬉しかったのは日曜(15日)2Rアイノカゼで土谷騎手がようやく勝ち上がった事だ。


馬も未勝利脱出だが、騎手も待望の勝ち星。ローカルに向けて弾みがつくであろう。

「これでも結構頑張ってるんですけどねー」


「無事是名馬だよ、余り頑張らなくて良いさ」


人柄の良さに、博打屋の知る馬主は彼の為の馬を用意する程だ。


もはや年齢的にはベテランの仲間入り。息の長い仕事をして貰いたいものだ。(写真)

200806151120000.jpg

一方、何とも悔しかったのが12Rのニキティス。果敢な逃げはライバルを封じ込めたかに見えたが、休み明け26キロ
プラスの伏兵ユキノアサカゼにハナ差差されてしまった。


文字通り有終の美を飾る予定であったが、馬主の田中氏を始め町屋からの応援団は長い写真判定の結果に悲鳴落胆。


しかし、馬は絶好調であり、使い詰めも何のその、力だけは証明された。

週明けの月曜は朝から地震のニュース。


人間の叡知がどんなに優れていようが、「未知の断層」と言う地球のメカニズムの深淵の前では無力なものではないか。


まだこうした活断層が日本列島にはあると言うから、やはり地震・雷・梶親爺には違いない。


その梶親爺も珍しく全米オープンの最終ホールのライブ中継に見入った。


ワンアンダー首位でホールアップした45歳のロッコメディエートを1打差で追う32歳のタイガーウッズ。


最終ホール、Tショットをバンカー。2打目をラフ。万事休すかの3打目をピン5メートル。いよいよバーディートライ。


世界中が注目のバーディーパットだから見ている博打屋もドキドキもの。


想像を絶するプレッシャーに違いなかろう、ウッズの表情も硬い。


が、次の瞬間、結果待ちのメディエートにアンビリィーバブルと唸らせるミラクルパット。


ゾクッとさせる攻防。まさに、プロとはこう言うプレーを見せられる人たちの事を言うのだとつくずく感心。


翻って、博打稼業のプロの我が身は、と又々上半期の総括に瞑想したのであった。


そうした午後、京王閣に来たらしい師匠のケンちゃんから電話。


熊本競輪の準決勝の場外をすっかり忘れていた。


急ぎ駆けつけるも残り1レース。勝負は火曜(17日)だから丁度良い。


平原・後閑ラインか井上・紫原の九州ラインか。

「ここは井上でしょ」

「う~ん・・・」

「平原の捲りかなー」

「う~ん・・・」

「で、師匠は誰を?」


酒の入ったペットボトルの蓋を開けながらケンちゃんが見せた車券は市田からの3連単。ラインの無い孤立選手だ。


「多分外すから買っちゃぁ駄目だよ」


言いながらウフフと自嘲している。


博打屋は熟考の果てに平原の頭の3連単を少々。


結果は先行平原がラインを引き連れて入線。3千円足らずの安い結果となった。


飲み代で消える払い戻しをしてケンちゃんを探しに行くと姿がなかった。


ケンちゃんが何故一匹狼の市田を買ったのか聞きそびれた。


競輪ではライン(並びを作る仲間)の無い孤立選手を点と呼ぶ。


ライン(線)に対して点なのであろう。


そんなことを教えてくれたのもケンちゃんだが、如何にも不利な市田から買うとは、師匠の中に「未知の断層」がまだあるのかも知れない。


決勝は合志を買ってみたい。

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2008年06月17日 10:01に投稿された記事です。

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梶山徹夫プロフィール

梶山徹夫

1949年広島生まれ、中央大学文学部国文科卒。コピーライターを皮切りに、広告制作、音楽事務所経営、ルポライター、競馬雑誌編集長を経てフリーに。全国の競馬場に出向き、競馬に関わるエッセーを雑誌等に寄稿。著書に「馬券で喰ってどこが悪い」等。

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