『白い夏』
お盆突入だ。
つくつく法師が鳴き初め、百日紅が燃えるように夏の陽射しに揺らぐ。
朱色、紅紫、白と花の色は勢いづいている。
見上げる天空の太陽は白く輝き、すべての風景が白い閃光の中でピタッと止まったようである。
ふと「白い夏」と思わせる今日(13日)の昼下がり、小田急ロマンスカー「はこね29号」に乗る前の登戸の風景であった。
駅にこそ人はいるが、街はひっそりと静まり返っている。
世の中が一斉に止まったかのように見える。
今日から15日まで博打屋は箱根強羅「湯の花温泉」でお盆特別副業に入る。
標高950メートルの高原避暑地。温泉ゴルフ三昧と言えばまるで博打屋もブルジュアみたいだが、金持ちなのは誘ってくれた会社だ。
欠員が出たのと博打屋の暇持て余し稼業が一致した賜物でもある。
ホンマモノの金持ちは不言実行、空手形は切らない。
久々にゴルフでも、の気も起こらぬ訳ではなかったが、博打屋は「中国語講座」と案内にあった夜の闘いに焦点を合わせることにした。
春にもこのホテルから府中競馬場に土日通った事がある。
その時の「中国語講座」は幾ばくかのオアシになった。
総勢20名足らずのバカンスだが、仕事関係の取引先もいるようで、どちらにしても皆堅気、金持ち。
博打屋が一番の経済弱者だから、遠慮なく稼がせて頂けばよいのだが、短期決戦の麻雀だけはツキにも左右され、手痛い返り討ちに会うから気が抜けない。
今週からは札幌競馬が始まり新潟も最後の夏開催となる。
「土日きっぷ」の適応外となる週だけに行けば泊まりが条件となる。
都内の博打場の盆興行を捨てての偽装避暑だから、ここで稼がなきゃ辻褄が合わぬ。
気温24度、外人客も目立つホテルに着いて博打屋の盆興行の始まりだ。
