『阿修羅の流れ』
札幌競馬の帰途を夜行列車で青森に行き早朝からたっぷりある時間を八甲田山の酸ヶ湯温泉、蔦温泉を駆け足入浴し、奥入瀬渓流を歩いたことがある。
夏競馬だったから深い緑の渓流散策だったが、これが紅葉したらどんな画家が束になっても描き写せない絶妙な水と森との構成だろうと感じ入った覚えがある。
確か「阿修羅の流れ」と名付けられた流域は、八甲田山の雪解け水の豊富さを誇示するかのように岩にぶつかり地を砕き、苔むした木肌を濡らしながら白い水飛沫をたてていた。
今まさにその奥入瀬が紅葉を迎えていると知人から知らせが入った。
十和田湖までの散策は想像するだに麗しい。
その十和田湖の県境が137年ぶりに決着したと新聞報道にあった。
青森、秋田に接する十和田湖は湖面の何処を県境にするかで廃藩置県以来揉めていたらしい。
そんなことも知らず何度か訪れており、正直青森のイメージが強かったが元は南部藩、同じだ。
2県にまたがったばかりに税金の分配でややこしくなったようだ。
阿修羅もホッとしているのではなかろうか。
お金に余裕があれば今日にでも飛んで行きたい「阿修羅の流れ」。
今のこの時にしか見られない景色。一年先なんて人間どうなっているか分からない時代だ。
例え懐事情が修羅場を迎えようと、思い立ったら吉日なのかも知れない。
そう言う意味でこの時季の博打屋は日々張り合いがある。
ちょっと前には大雪山・朝日岳の紅葉に行くぞ、っと意気込んでいた。
それが今は八甲田山、八幡平、十和田湖だ。
いや、秋田の抱き返り渓谷も良い。
しかし、全て今日の商いで大儲けしてお金が出来たら、の前提が付く。
従って実現の芽は極めて低いのである。
やがて、行き先が奥日光やら草津辺りになり、仕舞いには秩父や奥多摩になってしまう。
いやいや、秋華賞を取りゃ京都だって見頃までにはあと一月猶予がある。
夢は果てしなく博打屋を錦秋の世界に導いてくれる。
兎に角、今日にでもそのチャンスはある。
腐るほど稼げばいいだけの話。
しかし、腐るほど稼ぐには腐る手前ほどのタネ銭を用意してドンといくか、ご予算少々で大物狙いを貫くか。
所詮いつもの小博打、日銭稼ぎじゃ物見遊山の悠々旅を保証する稼ぎは期待出来ない。
金は割って使うと価値が下がる。価値が下がると言うより使いでがない。
1万円を10回使うより10万円を1回、たっぷり使う方が使い方に幅が出来る。
博打にも同じ事が言えるのだが、博打はその1回の使い時を誤ると1万円にも及ばぬ只の浪費になりかねない。
このメリハリ、博打で言うなら駒の上げ下げの機微が博打事の成否を分ける。
昨日(15日)の多摩川は前日準優で裏切った秋山が2・3着なら確保出来るはずの読みは揺らがなかった。
後は素直に1コースの石川真か3コースの川崎智の争いと思い現場に行くとこの二人の連単が1番人気。
川崎頭だとそこそこ配当。
博打屋の葛藤はここで生じる。
初志貫徹か一捻りか。
結論は石川1着、吉田徳・川崎智2着、3着に秋山広を加えた3連単4点。
川崎1着の連単3点。
結果は石川・吉田・秋山で3270円11番人気であった。
本来なら勝負し易い舟券であったが、川崎への執着が災いした。
手持ちが乏しかったのが初志貫徹を引き止め微調整させてくれ結果オーライ、難を避けた商いだった。
浦和の栄冠賞はエスプリベンの2着。
商い場所を間違わなければ馬連はもっと買えていただろう。
さて好天の今日(16日)、「阿修羅の流れ」を念頭に大宮競輪の決勝と松戸競輪ナイターに賭けてみる。
大宮は関智晴、中田健二が売れるだろう。
人気のないラインの番手が波乱の目のようだ。
真崎の番手黒田充を3着に加え関、中田に賭けてみよう。
「阿修羅の流れ」になるかも知れない。
