『鉾田坂路完成』
鹿島灘に近い鉾田は比較的気温の暖かい地である。
秋の雲に覆われてはいるが明るい朝を迎えた。
鉾田の狸、志井田氏は気に入りのCDを大ボリュームでかけウットリと聞き入っている。
「愛のままで・・・」と云う秋元順子の歌だ。
シャンソンっぽい演歌で中々しっとりと切ない。
朝から大音響だか、さすがに鉾田。隣近所は都心ほど気にしなくて良い住宅環境だ。
狸氏がそうした切ない恋歌に聞き惚れるのは不思議でもない。
同い歳だが、この世代はしんみりとした心を謳う歌には弱いのだ。
いや、その心境はその後案内してくれたビックレッドファーム鉾田の完成した坂路を見て理解も出来た。
すでに稼働していた全長1000メートルの坂路のスタート地点を300メートル後ろに伸ばし新たなスタート地点を作ったのである。
そこは沼地の雑草地で左右の山に挟まれ人の入れぬ土地であった。
ヘドロ層を掘り起こし崩した山砂を埋めヘドロと入れ換える。
この夏の炎天下にその作業は続けられ、9月の半ばにコース延伸が完了した。
曾てのスタート地点から見下ろすと300メートル後方、5メートルの低さにスタート地点が移った。(写真)




つまり、最初の300メートルで自然勾配の高低差5メートルを登り、従来の1000メートルで高低差22メートル坂路に繋がったわけである。
よくもあの土地が、と見る者を感心させる。
いや、全容を現した牧場の全景をみるだけで驚きよりも感慨深いものを感じる。
出来上がってしまえば当たり前の牧場風景。
しかし、荒廃した別荘地の元の風景を知る者から見ればこの1年半の変貌ぶりは驚嘆に値する。
吹き付けた芝やクローバも地肌を覆い始め、来年の春先の美しさが思い浮かぶ。
ジッと坂路を見詰める狸氏の後ろ姿に切ない男の心情が窺える。
彼の使命は不条理にもこの完成で終焉を迎えるようだ。
この男がしたたかに鉾田の狸と化すことでこの日があったように博打屋は感じる。
石岡まで狸氏に送ってもらい昼過ぎに博打屋は再び取手に向かった。
昨日は暗くて見えなかったが、常磐線沿線はセイタカアワダチソウが恐ろしく繁栄している。
高浜駅の近く「こいせ川」の土手も黄色一色。
鉾田から石岡までもススキとセイタカアワダチソウのせめぎあいである。
よく見ると休耕田がそれほど多いと云うことであり、地方の過疎化をアワダチソウが謳歌している。
取手で昨日に続き商い。
竹山陵太、岩本俊介、樋浦幹彦と云う主力が順当に決勝進出。
昨日のカバーは出来た。
優勝は竹山が近いだろう。
