梶山徹夫の馬券生活 - 愁思符庵日記 -

本物の博打屋が送る競馬ファン必読の競馬ブログ

2009年01月27日

『異星堕つ』

今朝(27日)スポーツ紙の一面に競輪選手手島慶介の死が大々的に報じられていた。

25日に亡くなったようだが、自殺の文字も見られる。

いささか意外でもあり驚きでもあり残念でもある。

しかし、およそ自殺とは結び付かないレース振りの故人に、他人には分かり得ない深淵な心の闇があったのかと思うと人間の複雑さを教えられるしかない。


幾度か迷惑を被り、また助けられもした異色の存在だっただけに、穴党ファンとしては厄介ではあるが頼もしい選手だった。


競輪に浅い博打屋もファンの一人だった。


昨年のグランプリ前日の新設G1「SSカップみのり」を優勝したばかりで、凡そ死とは結び付かない。


8744万円の獲得賞金を持ち輪界第6位のトップレーサーであった。


過去G1を1回、G2を2回優勝し、3年前のグランプリでは2着に入り、暮れの博打屋に年越し資金をプレゼントしてくれた忘れ得ぬ選手だ。


それが何故?


朝から釈然としない気持ちに捕われた。


原稿作成日と決めていたが暖かい陽気に誘われて西武園準決勝に出向いた。


新秋津の駅近くの「良人」と云うラーメン屋に寄って無料バスに乗る。


この町に来ると立ち寄るラーメン屋だ。

8席しかないカウンターだけの店だが昼時は行列が出来る。

鰹ベースの魚系のスープで麺は中太。弾力のある舌触り。

ボリュームもあり680円の値段はまずまずと思う。(写真)

200901271339000.jpg

腹ごしらえを済ませて出向いた西武園ではファンルームで椅子に座って準決勝予想と原稿準備の2本立て。


手を出したレースを外し空商いの帰途。


バスの中で二人の親父が同じ愚痴を何度も大声で話し些かムカついていたが、その内死んだ手島の話題。


「何言ってんだ、ありゃ暴力団絡みに決まってんだろうよ。携帯もって調整ルーム入りして処分喰ったってんだぞ。競輪も競艇も居なくなっちゃう選手はみ~んなその口さ、嘘じゃねぇって。」


煩い親父が声高に喋ると車内が急にかしましくなった。

「うどん屋もやってたって云うから金絡みじゃないの」

「馬っ鹿だな~、8千万も稼ぎこれからだって幾らでも稼げんだぞ~、そりゃあんめぇーやな。」


「薬飲んでたって云うから、鬱状態だと発作的に自殺しちゃう事ってあるみたいだよ」


「違うって、そんな柔な話しじゃないって。」


どうしても声高親父は自説を車内に吹聴したいようだが、それだけスキンヘッドの異色の手島選手と自殺が結び付かないのも事実だ。


衝撃的な一日だったが、博打屋は何時も寄る飲み屋「サラリーマン」の赤提灯を横目に見ながら帰途に着いた。


弔い酒をしたかったが、出来高の悪さと原稿締め切りを思い「愁思符庵」で節約弔い。


合掌。

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2009年01月27日 21:45に投稿された記事です。

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梶山徹夫プロフィール

梶山徹夫

1949年広島生まれ、中央大学文学部国文科卒。コピーライターを皮切りに、広告制作、音楽事務所経営、ルポライター、競馬雑誌編集長を経てフリーに。全国の競馬場に出向き、競馬に関わるエッセーを雑誌等に寄稿。著書に「馬券で喰ってどこが悪い」等。

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