『風の吹くまま』
書かねばならぬと分かっていながら、ギリギリにならないとエンジンがかからない博打屋である。
日銭稼業の性と言えばそれまでだが、日中そこかしこで商い場所が開かれているのに、部屋に籠って原稿書きなど精神衛生上この上なくよろしくない。
かと云って夜は夜で飲むと気力がなくなり眠くなる。
早朝勝負と早寝をしても起き出すのはいつもと同じ。
要は中々堅気仕事に専念出来ない環境にある。
手持ちに余裕がある時なら、まあ、博打場は無くなりゃしないさ、金持ち喧嘩せずだわい、と庵に籠って思索に耽る。
今日(28日)も午前中は堅気だったが、川崎競馬でカネヒキリ、西武園で決勝と落ち着かない。
何処に行くべきと自問するもさほどの勝負が出来る訳でもない。
しかし、買わねば金にはならない。
何れに行くにも南武線だが、行き先は正反対。
ならば風の吹くまま成り行き任せ。先に来た電車に乗ろう、と駅に着くと立川行きが先着。つまりは西武園へ行けと風の意思。
まあそれも良い。
何れに行っても限定1レース。
相も変わらぬ顔ぶれの交流重賞一座の演目はカネヒキリ主演。
サクセスブロッケンが脇を固めボンネビルレコードがそつなく3着か。
良くてその程度の波乱。
ならば西武園、小林大介を買う。(写真・黄色帽子)

初日のレースは好感持てた。
昨日の故・手島慶介の通夜に500人もの人々が参列したと報道にある。
同県群馬の小林は通夜・葬儀にも参列出来ぬ西武園の仕事だ。
心中期すものがあろう。勝って弔うことしか供養は出来ぬ。
レースは別物ではあるが、競輪のペタルを踏ませるものは選手の心にある。
風を切らせるのは人の心情なのだ。
